「やまもじプロジェクト」とは、2009年7月26日~9月13日の期間、新潟県中越地区で開催される「大地の芸術 越後妻有アートトリエンナーレ2009」に参加する、作家 滝沢達史を中心としたアートプロジェクトです。
夏の期間使用されていないスキー場のゲレンデを舞台に、願い事の書かれた白い布を1万人から集めて繋げ、1辺150mにも及ぶ巨大文字を作るという壮大な計画です。最終日には「やまもじ送り」と呼んでいる、巨大文字の送り火を行い、町の新たな祭りを作ります。
[やまもじの作り方]
やまもじプロジェクトは、ただの美術作品に留まらず、「行政」・「教育」・「福祉」・「企業」が連動した、新たな事業を作り上げることを目指します。
地域住民と美術作家が一体となって文字の着想から完成までを行い、大きな事業を一緒に作り上げることで過疎化してゆく地域に未来への希望や、地域活性のアイデアが生まれることを目的としています。
津南の未来への希望の火を灯します(美術作家 滝沢達史)
潟県南部と長野県北部の県境に位置する津南町は、冬には積雪が4mにも達する日本有数の豪雪地として知られています。
その町並みは、古き良き日本の農村風景を多く残し、幾千年の時を経て作られた日本最大の河岸段丘※に町が形成されています。
この地域から出土する縄文時代の多くの遺産は、この地に暮らした人々の悠久の時間を感じさせてくれます。
津南町の冬は長く、降り積もった雪が解け始めるのは5月上旬頃。この頃、緑の山肌には残雪が白い模様を作り、美しい景色を見せてくれます。その年の降雪や気候によっては残雪が文字のような形に残ることがあり、厳しい冬を乗り越え、春の訪れを知らせる山の文字はこの土地ならではの趣きのある風景となっています。
今から20年前、私は津南町で生活をしていました。私の記憶にあるこの町は稲穂の香りが風に乗り、水は冷たく、濃い緑の山々に囲まれた所でした。そして、春になるとマウンテンパークスキー場に隣接する丸山には、まだら模様の残雪で「待」という形の白い文字が浮かび上がりました。それは単なる偶然の現象なのですが、幼少の私にはその文字が、計り知れない謎に包まれた人為的行為か、もしくは雄大な自然の大きな遊びのよう感じられました。
大地の芸術祭2009の作品制作にあたり、私の原風景であったこの文字を再現したいと考え、日本一の河岸段丘を一望することのできるマウンテンパークスキー場の斜面を使って、“1万人の願いを1万枚の白布で繋いで文字を作る”『やまもじプロジェクト』を行うことにしました。文字は新たに一般公募によって選び、津南町の風景にふさわしい文字が夏山に白く浮かび上がります。夏の期間、町民と町に関わる全ての人が協力しながら風景を作り、その行為は町の様々な場所から見ることができるでしょう。そして、9/13に1万人の願いを天に届ける送り火を行い、津南の未来へ希望の火を灯します。
今日まで発展を遂げてきた日本。その姿は果たしてこれで良かったのでしょうか? 繁栄の影に開発から取り残され、過疎化した農村部はどこに向かえばいいのでしょう。このプロジェクトは一夏の些細なアートイベントですが、町民と町外の参加者が一つの目的に向かって協働し、1万の願いを一つの形に作ることができたとしたら、我々の未来にも、まだ多くのアイデアが残されているかもしれません。一粒万倍。一粒のお米が一万粒のお米へとなるように、このプロジェクトが万倍の大きな実りとなりますように。
滝沢達史
※河岸段丘とは?
河岸段丘(かがんだんきゅう)とは、地殻変動により、川底が隆起し、再び川が川底を削り取るということを繰り返してできた階段状の地形のことを言います。ちなみに、津南町の河岸段丘は9段にも及び、現存する日本の河岸段丘の中で日本一の段数だと言われています。
- このプロジェクトをきっかけとして普段関わることのない住民や様々な地域の人が交流し、お互いが今までにない視点やアイデアを持つこと。
- 作品制作やイベントの実施において、自然素材の有効利用や太陽電池パネル等の自然エネルギー利用など最新技術を導入した次世代型のイベントスタイルを提言すること。
- 教育委員会との連携で小学校・中学校・高校の子どもたちへ創造の場を提供し、プロジェクトを通して子どもたちの未来のイメージを育てること。
- 福祉団体を通して高齢者や障害者に白布の制作を依頼し、プロジェクトをともに作り上げることで、生きがいと活力を与え、社会参加の新しいモデルを作ること。
- 大勢の参加者を集めることで宿泊施設、交通各社、商業施設に経済効果を生み、住民が未来へ向けての街づくりに積極的な意識を持つこと。
募集: [記録用の動画&写真募集中!]























































